馮先生の練功法は混元太極拳と混元気功から成っている。混元気功は二人の老師より伝授された太極纏絲功と心意内功を大きな骨格として馮先生の長年の修練、研究の末整理しまとめたものである。
混元太極拳は陳式太極拳の伝統套路を基に馮先生が独自に編纂した套路で、内功法を多く取り入れたゆるやかで柔らかい放松と円運動が特徴の太極拳である。先生はこの套路に自分の名を付けなかった。それはすべての太極拳が混元であるとの考えからであった。
混元太極の評価は国際的にも増々高くなり、2007年1月北京での第一回国際混元太極拳交流大会には700名を越える人々が世界中から集まった。
2007年に80歳になる馮先生だが、その堂々たる風格は変わらない。その動きと内功は年齢を重ねることのすばらしさを実感させるものである。先生は自身の身体の内に太極拳、気功の伝統を包括しており、年々変化し発展していて太極そのもののように思える。指導は厳しいがユーモアが大好きで、弟子をかわいがり多くの人々から慕われる、人間味あふれる優しい「師父」なのである。